映画は基本的にはオリジナルに沿った形で展開されるのだけれど、オリジナルでは小学生だった主人公とヒロインを高校生に、なずなの家出の原因も、両親の離婚ではなく母の再婚、という形に置き換えられている。こと、母の恋愛履歴のせいでなずなが自己の恋愛観や将来にまで複雑な感情を抱いている、という設定の追加は秀逸。
登場人物それぞれの心情が丁寧に描きこまれていて、主人公典道と友人祐介の感情のすれ違いなんて、ああ、高校時代ってこんなもんだよなと共感できる。他の友人のコミカルな扱いも展開にいいアクセントを与えていていい。
アニメならではの鮮やかな色彩設計も、物語に奥行きと情感を与えていて素晴らしい。海辺の町の情景など青の鮮やかさが目に染み入ってくるし、なずなが電車内で『瑠璃色の地球』を歌い出す場面での幻想や、工事中の灯台から眺める花火が、一日のやり直しのたびに見える花火の様相が違ってくるというアイデアも上手い。